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2025年03月01日 [お知らせ]

なぜ、当院の初診相談では基本「お話のみ」なのか

なぜ、当院の初診相談では基本「お話のみ」なのか、ご説明致します。

当院における初診相談では基本的にX線写真(レントゲン)撮影は行わず、お話のみになります。本コラムでは、その理由についてご説明させていただきます。

ただし、はじめに述べさせていただきますが、例外はあります。たとえば混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざり合っている時期)の成長期のお子さんで、本来だと生えているべき永久歯がまだ生えていなかったり、もう抜けていてしかるべき乳歯が残っていたりした場合は、どういった状況なのかレントゲンで確認しないとご相談自体が内容の無いものになってしまいます。直ぐに治療を始めることが望ましい場合もありますので、こういった場合は保護者の御了承をいただいたうえで1枚だけ撮影を行っております。

そういったケース以外は、初診の段階で原則レントゲン撮影は行いません。理由は以下のようになります。

当院に初診相談にみえられたからといって、当院で矯正治療を受けることをはっきり決められている方は多くありません。相談の内容を吟味して今後どうするか考えることや、別の医院に相談に行き、そこのドクターの意見と当院の見解を比べてみるということが通常行われます。

もし初診でレントゲンを撮影したものの、その医院で結果的に治療を受けなかった場合、その被爆はむだな被爆になる可能性が極めて高くなります。治療を受ける別の医院の検査で、全く同じタイプのレントゲンを撮影することになるからです。(もしその医院で矯正受けることが決まっているのであれば、初診でのレントゲン撮影は全く問題ないと思います。ただ、そういった場合でもやはり医院側は患者様に一度相談内容をもちかえってもらってご検討いただき、治療の次のステップとなる検査ではじめてレントゲンを撮影する方が合理性があるように思えます。これはあくまで個人的な見解になりますが。)

レントゲンを撮影した方が内容のある相談になるだろうと思われるかもしれません。もちろん上記のようにレントゲンの情報を得た上でお話しすべきケースは間違いなくあります。しかしほとんどの、特に成人のケースは、レントゲンが無くてもしっかりしたご相談をさせていただくことが可能です。当院の初診相談はトリートメントコーディネーターなどが行う通り一遍なものではなく、全て院長が相応の時間を確保して対応いたします。もちろん確定的な診断まで行うことまでは出来ませんが、お口の中やお顔を拝見して、可能な限りの個別診断を行い、その時お話できることを全てお話させていただくようにしております。

そして当院で矯正治療を受けることを決めていただいた方に、次の検査(資料採得)の段階で行う作業としてレントゲン撮影をさせていただきます。ここではなるべく正確な診断を下せるよう、複数枚のレントゲンを、必要があればCTも含めて全て撮影させていただいております。

患者様が何事もまだ決めかねている初診の段階でレントゲンを、特に極めて被曝量が大きいCTを撮影するといったことは、患者様の健康に影響を及ぼすと同時に囲い込みにも繋がる行為です。当院にセカンドオピニオンのために来院された患者様に、すでに他の医院で撮影されたレントゲンやCTのデータがある場合、その提供を当該の医院にお願いしても「うちでやらないならそんなことしてあげないよ」といった感じで拒まれてしまうことも少なくありません。これは患者様への不当な囲い込みとなり、大きな不利益を被らせてしまうことになります。

最後に、もし当院において初診の段階で私がどうしても必要と判断してレントゲンを撮影させていただいた場合、そのデータもしくはプリントはご要望があれば無条件でお渡しいたします。他の医院でのご相談に必要なこともあるかと思いますので、どうぞ遠慮無くお申し付け下さい。