予想されるリスク
RISK

矯正治療だけではなく全ての医療行為においていえることですが、100%確実に良好な結果だけを得られるという治療はありません。
私たちはもちろん極力リスクを生じないよう、ガイドラインに基づいた治療法を提供していますが、やはりマイナス面が生じる可能性を0%にすることはできません。
そういったリスクについても事前にしっかりとお伝えすることが正しい医療の姿勢と考えております。大変重要な内容ですので、お読みいただければ幸いです。

リスクの種類

  • 後もどり、再発と再治療

    歯根(歯の根っこ)の吸収

    矯正治療で移動された歯は、元あった位置に戻ろうします。これを「後もどり」と呼びます。そのため矯正治療後には、動かし終わった歯をその位置に留めて周囲の組織が落ち着くのを待つ「保定」というステップが必要になります。保定を疎かにすると、移動した歯が元の位置にもどってしまうことがあり、場合によっては部分的な再治療が必要になります。また特に成人の方では、治療のために抜歯して歯を閉じたスペースに、保定時に隙間ができてしまうことがあります。

  • 歯根(歯の根っこ)の吸収

    歯根(歯の根っこ)の吸収

    治療における歯の移動により、歯根の先が少し短くなる(吸収)ことがあります。
    そうなった場合でも、ほとんどのケースでその歯はそのままお口の中で機能し続けます。痛みやグラグラするといった症状が出ることもありません。

  • 歯肉(歯ぐき)の退縮

    歯肉(歯ぐき)の退縮

    矯正治療を行った結果、歯についている歯ぐきの高さが少し下がることがあります。特に成人の方で前歯に乱杭歯がある場合、矯正治療後に前歯の間に三角形の隙間(ブラックトライアングルと呼ばれます)が生じることがあります。
    なお自然の状態でも、歯ぐきの高さは加齢と共に少しずつ下がっていきます。

  • 歯の失活

    歯の失活

    矯正治療中に歯の神経が壊死をおこす、失活(しっかつ)が起こる場合がごくまれにあります。
    強い矯正力に起因することが考えられますが、以前にぶつけたりしたことがある歯は、こういったことが起こるリスクが若干高くなると考えられています。
    そうなった場合も歯としての機能は失われませんが、変色が生じることがあり、その時には対応が必要になります。
    もちろんそのような事態を起こさぬよう、細心の注意をもって治療を進めてまいります。

  • むし歯

    むし歯

    矯正治療中、適切なブラッシングがされない場合、装置周辺にむし歯を生じさせてしまうことがあります。
    その場合、必要に応じて一部矯正装置を撤去し、治療を行うことになります。
    そのような事態を避けるため、ブラッシング方法についてはしっかりとご説明申し上げます。

  • あごの関節の痛み

    あごの関節の痛み

    あごを動かすと、あごの関節から音がしたり、開けにくくなったり、痛みを感じるという顎関節症の症状を持つ方がいらっしゃいます。
    顎関節症と矯正治療の関連には様々な見解がありますが、慎重に経過(症状の変化)を診ながら治療を進めてまいります。